2022秋 建築士会「あきた大会」と出羽・陸奥の旅

全国大会は、久しく参加していませんでしたが、車を運転してくれる道連れが
できたので「あきた大会」への参加を決めました。
そして車旅ならではの機動力を生かして、かねてから訪れたいと思っていた地を巡りました。
大会の会場は「ミルハス」
秋田県民会館と秋田市文化会館の機能を統合したオープンしたばかりの施設です。

会場となったミルハス
オープニングセレモニーのなまはげの演舞は迫力満点でした。
広場では、秋田竿灯まつりの妙技も
披露されました。
大会は10月14日ですが、一日前に秋田入り。朝には秋田県湯沢市の秋ノ宮温泉郷へ。川原には「川原の湯っこ」と呼ばれる野湯が存在します。スコップが備えられていて、自ら川原を掘ると熱い湯が噴出してきます。それを川の水と混ぜて温度調整をします。
足湯としてつかり、長時間ドライブの疲れを癒やしました。
秋田には、白井晟一の作品が多数あります。その一つ旧秋ノ宮村役場が、稲住温泉の移設されています。

豪雪地帯であることもあり、屋根の一部が破損していました。でも切妻の大屋根と赤茶色の外壁、曲線のベランダとそれを貫く3本の柱、伝わるものがありました。

秋ノ宮温泉郷から一気に男鹿半島へ
一番の目的は、赤神神社五社堂
男鹿半島の山中、999段の先に佇む五連の神社
国際教養大学仲嶋記念図書館
大会当日、美しすぎる図書館を設計担当者の案内で見学。ミルハスからバスで国際教養大学へ。

「木のコロセウム」をテーマに「本と木の出会いの場となる劇場空間」としてデザインされたとのこと。
ミルハスに戻ってからは、学長モンテ・カセム氏と、設計者の仙田満氏の記念対談に参加しました。書架とその後ろの閲覧机…段差を利用して学生が下を向くと隠れた居場所として集中でき、顔を上げると全体が見わたせる…(仙田氏)

この見学と対談で 私が思いおこしたのが、今は解体されてしまった工学院大学八王子図書館です。書籍に載せた文の中で「読書空間こそ図書館のすべて」と設計者武藤章先生が記していました。

翌日は、コース設定された見学会には参加せず少し欲張り、角館、田沢湖、増田の内蔵を見てから山形県の金山町へ。金山町は、かねてから訪れたいと思っていた町です。街並みづくり100年計画…多くの建築家が携わって環境が整えられてきました。

角館 町人地である外町の安藤醸造本店
増田の山吉肥料店 外観
内蔵
金山町 きごごろ橋
金山町 蔵史館ホール
金山町 大堰
金山町立明安小学校

2002年小沢明先生の設計で東北建築賞他を受賞した建物です。残念なことに少子化の影響で2022年3月で閉校。

山形県内で、もう一泊して宮城県岩出山で、六角鬼丈先生の感覚ミュージーアムと岩出山保育所、そして有備館及び庭園を見学し帰路につきました。おいしいお酒と食事も堪能した旅でした。

秋田の地に世界標準の大学があることに驚きました。
会場のミルハス周辺は、広場や美術館を含め魅力的でした。
山形金山町の町並みは予想を超え美しかったです。

しかし、ガイドさんの話だと、秋田も人口減少により多くのものが失われています。美しい金山町も人口が減り、小沢先生設計の明安小学校は閉校になりました。多くの建築家が気にかけてきた地でも、賑わいが消えていってしまいます。少子高齢化を是正することは、長い時間が必要でしょう。一極集中を是正することも容易ではありませんが、こりらの方が明確な意思をもてば、近い将来是正可能だと思います。地方(地方の良さ)が消滅する前に手を打って欲しいです。

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